「ひとりぽっちの円舞曲」の次の物語です。

自分に自信が持てない女性のおはなし。



夕焼け空が見えたならば

開演の合図

一人の部屋で音楽会

お客は要らない


そう よ 自分のため奏でる

私だけの詠唱曲(アリア)


ぼんやり光る 天満月(あまみつつき)

暗がりを照らす

一人の部屋の音楽会

誰にも見せない


そう よ 見せてしまったならば

嫌われてしまうわ



朝焼け空が見えたならば

終演の合図

一人の部屋の音楽会

今宵はこれまで


またあした あしたこそは

誰かが気づきますように…